栄養
2024.10.11
▶食事において、米、パン、麺類、お菓子等の炭水化物(糖質)をなるべく制限します。それと反対に、たんぱく質(肉、魚、大豆、卵など)や脂質(油、青魚、ナッツ類、チーズなど)を多く含む食品をよく食べるようにします。これによって中性脂肪を多く消費して痩せていく体質に身体を変えていくダイエット方法です。
このダイエット方法によるメリット・デメリットは下記の通りとなります。
【低糖質ダイエットのメリット】
【低糖質ダイエットのデメリット】
糖化(注1)とは・・・糖化、または「メイラード反応」は、糖分が体内のタンパク質や脂質と結びつく反応のことを指します。この反応により、終末糖化産物(AGEs)が生成され、これが体内の炎症や老化を進行させる要因となるのです。AGEsは肌の弾力を失わせたり、血管を硬くしたりするなど、さまざまな健康問題と関連しています。糖質制限をする理由の一つが、こうした糖化の影響を抑えるためです。
炭水化物(糖質):10%
脂質(油):60%
タンパク質(アミノ酸):30%
上記のように、脂質を多めに食べることを意識してください。また、サラダ油に含まれるオメガ6を摂りすぎると生活習慣病を招く可能性があるので、オメガ3(魚、アボカドに多く含まれる)やオメガ9(オリーブオイルに含まれる)やMCTオイル(ココナッツオイルなど)を中心に摂取してください。
詳しくは低糖質ダイエットのブログをご参考にしてください。
便秘になりやすいです。ダイエットと腸内環境は密接な関係があり、便秘のままお腹にため込んでしまうと体重が落ちにくくなります。お通じを常に良くすることこそが低糖質ダイエットを完遂するためのカギとなります。
食物繊維とは、主に植物性食品に含まれる消化されにくい成分のことを指します。これは大きく「不溶性繊維」と「水溶性繊維」に分かれます。
便秘の解消や血糖値の管理に役立つ重要な栄養素です。
食物繊維は、炭水化物の食品に多く含まれています。玄米、オートミール、蕎麦、サツマイモなどです。それら、日本人の主食ともいえる食べ物を糖質制限ダイエットによって減らしてしまうことで、糖質と同時に食物繊維まで一緒に失うことになります。
糖質が少なく、かつ食物繊維が多い食材を食べること。そして、不溶性食物繊維と、水溶性食物繊維を2:1の割合で、不溶性が多くなるように摂取しましょう。特に水分の摂取も忘れてはいけません。水分を含ませることで初めて不溶性食物繊維は膨らみます。
不溶性食物繊維の多い食品(パサパサした食べ物に多い)
▶ごぼう、納豆、アボカド、オクラ、モロヘイヤ、春菊、キャベツ
水溶性食物繊維の多い食品(粘り気のある食べ物に多い)
▶キノコ類、枝豆、しそ、こんにゃく、きくらげ、なめこ、わかめ、めかぶ
糖質を制限するダイエット方法でありがちですが、脂質や油も一緒に制限してしまうことです。あぶらはカロリーが高いので、太る原因として勘違いされやすいです。私的にはむしろ、糖質の方が太る原因となりやすいと考えます。最終的に、糖質と脂質を抜いて、たんぱく質しか食べないダイエットに陥ってしまう方が多いと思います。
油や脂質は、便通において重要な役割を果たします。脂質は腸内で潤滑剤のように働き、便がスムーズに移動するのを助けます。また、脂質が腸の動きを刺激し、正常な腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進します。
脂質が不足すると、便が硬くなりやすく、腸の動きが鈍くなって便秘の原因になります。適度な量の脂質を摂取することは、便通を保つためにも非常に大切です。注意点としては、脂質の摂りすぎも健康に悪影響を与えるため、バランスが重要です。
糖質を制限している食事方法の下では、脂質は食べても太りにくいことを心にとどめてください。
(注:勿論、炭水化物を沢山食べたうえで脂質も同時に沢山食べてしまっては太ります)
油や脂質は、『質』を重視して摂取するとよいでしょう。
A:飽和脂肪酸・・・卵、肉
B:不飽和脂肪酸・・・
B1:オメガ6・・・リノール酸(サラダ油)
B2:オメガ3・・・魚、えごま油、アマニ油
B3オメガ9・・・オリーブオイル
上記の内、オメガ3やオメガ9を積極的に摂取するように心がけましょう。
低糖質ダイエットを始めると、今までの糖質を沢山食べていた食事方法とはガラッと食生活が変わります。食生活が変わると、それに伴い腸内環境も変化します。理由は以下の通りです。
1.食物繊維の摂取量の減少
▶糖質制限をすることで、一般的に食物繊維が豊富な穀物や果物の摂取量が減る傾向があります。食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える重要な役割を果たします。繊維不足により腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えてしまうことがあります。
2.脂質やタンパク質の過剰摂取
▶糖質制限ダイエットでは、エネルギーを確保するために脂質やタンパク質の摂取が増えます。これが腸内細菌のバランスに影響を与え、一部の腸内細菌が増え過ぎることで腸内環境が悪化することがあります。なぜなら、「悪玉菌」の主なエサはたんぱく質だからです。腸内フローラで悪玉菌が優位になることで「消化が悪くなる➡便が溜まる」という腸内環境になりやすくなります。
3.ケトン体の増加(注2)
▶厳格な糖質制限により体内でケトン体が生成されますが、これが腸内環境に影響を与え、腸内フローラのバランスが崩れることがあります。
(注2)・・糖質制限ダイエット中にケトン体を生成すると、便秘になることがあります。ケトン体は、体が糖分を使い切ったときに脂肪を代謝してエネルギーを生成するために使われます。しかし、この過程で体内の水分と電解質のバランスが崩れることがあり、便秘を引き起こすことがあります。
4.水分不足
▶炭水化物は水分を沢山吸収します。しかし糖質(炭水化物)の制限を継続している食生活では、水分が身体から抜けやすくなります。糖質制限中に水分の摂取が不足すると、便が硬くなり、便秘が悪化する可能性があります。便秘は腸内環境を悪化させる要因の一つです。
これらの原因により、低糖質ダイエットによって食事のバランスが崩れ、腸内細菌のバランスにも影響が出ることが腸内環境の悪化を招く要因です。このため、食物繊維を意識的に摂取し、水分補給を怠らないことが大切です。
糖質制限中では、悪玉菌の餌であるタンパク質の摂取量が過剰になる傾向になり、腸内が悪玉菌優性で便秘になるので、悪玉菌の対となる存在である善玉菌(乳酸菌など)を積極的に摂取して増やす必要があります。乳酸菌には、悪玉菌の抑制・消化吸収の促進などの働きがあります。
乳酸菌が豊富な食品
味噌、漬物、キムチ、ヨーグルト、チーズ、ぬか漬けなど
※腸内環境が整うまで、数カ月かかるので、1日だけ極端に摂るのではなく、継続して摂取することが重要になります。
私が低糖質ダイエットを実施しているお客様の食事写真を確認する際は、次の事に注目しています。
▶人によって、食べる菌類が自分の腸内に合う合わないがあります。例えば、ヨーグルトのビフィズス菌を食べると便通がものすごくよくなる方もいれば、納豆菌を摂ることでお腹の調子が良くなるという方もいます。なので、ヨーグルトさえ食べれば腸内環境は問題ないという訳ではありません。キノコの菌類の方が調子が良くなる、キムチ、チーズの方が良くなるという方もいます。私の場合は、納豆、オートミール、サツマイモを食べることで腸内環境がかなりよくなります。
重要なのは、色々試していただいて、自分に合った菌類を見つけることです。ダイエットは、まずは自分を知ることから始まります。