トレーニング理論
2023.10.05
「10回3セット」のトレーニングは、筋肥大(増量)やダイエット(減量)を目指す際に一般的に推奨される設定です。なぜこの回数設定なのでしょうか。10は切りが良いから?答えはホルモン分泌に適している回数だからです。
実際全てのトレーニング種目に10回という回数で固定するのは初心者にも分かりやすいという利点で理にかなっていると思います。
例えば、スクワット20kgを10回持つのが精一杯だった状態が、1カ月後には同じ重さで15回も出来るようになりました。身体が適応した証拠ですね。この時が重量をさらに増やすタイミングです。
次は30㎏で挑戦してみます。30kgだと最初は6回が限界だとします。しかし継続することによって10回以上出来るようになります。今度は40㎏に挑戦する。そのようにして漸進的に負荷を設定することは非常に分かりやすいと思います。
ではなぜ、10回なのでしょうか?5回の反復回数ではダメなのでしょうか?
5回はダメではないですが、5回余裕で持ち上げる重さだと身体の負荷は殆どかからず、適応が起こりません。では、次は5回で限界の重さに設定したらどうでしょうか?その場合はホルモンではなく、神経系への適応、そして筋肉へは物理的な刺激を与えることになります。筋力向上を狙うのに適した回数になります。
トレーニングの大前提としてRM(レペチション・マキシマム)法というのがあります。これは、「この重さをつかった最大の反復回数」という意味です。例えば、「重さの設定は10RM」という表現の場合、10回行うと限界を迎える重さということになります。
⇒「ベンチプレスの10RMは50kgです」という表現の場合は、50㎏持てば10回目に限界を迎えます。という意味です。私の場合は、ベンチプレスの10RMは80kgです。1RMは120kgになります。
話を元に戻しましょう。これらの回数設定は、筋肥大・パワー向上(瞬発力)・筋力向上(最大挙上量)・筋持久力向上・ダイエット・など目指す目的によって回数設定が変わります。
1~5RM | 6~12RM | 15~20RM | 重さと回数 |
神経系の発達 (筋出力・運動単位増加) | 成長ホルモン分泌(生理的刺激) 筋損傷(物理的刺激) | 筋持久力の向上 障害予防 | 効果 |
瞬発力アップしたい人 筋力アップしたい人 | 筋肥大・ダイエット目的の人 | 初心者・高齢者 | 向いている人 |
上の図を確認すると、必ずしも10回にこだわる必要は無く、6~12回でOKということが分かります。私の場合は3度の手術歴があるので6~8RMで行うことが多いです(関節が筋肉よりも先に疲労してしまうため)。
この図で「ん?」と思いませんでしたか?10回行う理由は分かったけど、どうして筋肥大とダイエットの両方が同じ枠に入っているのか。『身体を大きくする』⇔『身体を細くする』この相反する身体に起こる作用は、なぜ同じ重量・回数設定になるのか?
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★ダイエット(減量)と筋肥大(増量)の、筋トレにおける重さと回数の設定は基本的には同じです。
なぜかというと、どちらも6~12RMの重りを扱うことで成長ホルモンの分泌を促すことが出来るからです。成長ホルモンが分泌されることにより
上記の効果が期待できます。結論としましては、食事のやり方によって筋肥大かダイエットが決まるということです。
筋トレで成長ホルモンをドバドバ流しつつ、たんぱく質や糖質を中心とした食生活でオーバーカロリーを保てば筋肉は大きくなります。
筋トレで成長ホルモンをドバドバ流しつつ、高タンパク質を維持し、低糖質若しくは低脂質を決め、アンダーカロリーを維持すれば筋肉を維持しつつ脂肪は燃焼されます。
つまり基本的にはトレーニングする際の重量や回数の設定は筋肥大・ダイエット目的であれば殆ど同じで(初心者や高齢者などを除く)食事によって決まるということになります。
結論:
筋トレで成長ホルモンを分泌しつつ、適切な食事をすることで筋肥大かダイエットが可能となります。
※あくまでトレーニング時における重さと回数設定が成長ホルモンに影響するという内容ですので、有酸素の有無や、姿勢改善・産後トレーニング・局所的なボディメイク・生理時期でのトレーニングなど、目的によってまた設定は変わります。
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