BLOG

栄養

脂質について

2023.10.07

 ダイエットについて考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのはカロリーや糖質の摂取制限です。現在は糖質制限ダイエット、特に「ローカーボ」が注目を集めており、多くの本や指導マニュアルでその方法が紹介されています。これは理にかなっています。なぜなら、糖質の過剰摂取は中性脂肪の生成を促進し、健康に悪影響を及ぼすからです。

 しかし、糖質だけが問題ではありません。かつて脂質も同様に、過剰摂取が体重増加の原因とされていました。しかし、脂質は私たちの体にとって重要な役割を果たしています。大切なことは、「糖質については血糖値をチェックし、脂質についてはその”質”に注目すること」です。

➀【まずは脂質の種類を簡単におさらいしましょう。】

A)飽和脂肪酸・・・常温で固体になっているのが特徴。(バター、ショートニング、動物性脂肪)

 ※水素と炭素の原子が安定して結びついている状態。=固体=「飽和」

  ・短鎖脂肪酸→牛乳・ヨーグルト

  ・中鎖脂肪酸→ココナッツオイル・母乳・MCTオイル(腸→門脈→肝臓→エネルギー)

  ・長鎖脂肪酸→肉、卵、魚(腸→血管→全身→肝臓→エネルギー)

B)不飽和脂肪酸・・・「一価」と「多価」に分かれる。

 ※水素と炭素の原子が全て結びついていない=安定しない=液体=「不飽和」

  ・一価不飽和脂肪酸→常温では液体。オメガ9。(オリーブ油、キャノーラ油、マカダミアナッツ)

  ・多価不飽和脂肪酸→常温では液体。体内で生成できない必須脂肪酸。オメガ3(アマニ油、えごま油、魚油)/オメガ6(サラダ油、コンビニ弁当、揚げ物)

C)トランス脂肪酸・・・植物性脂肪(植物性油脂に水素添加という加工をしている)。液体である不飽和脂肪酸に水素を付け加えることで安定・固形化し、酸化による変化を受けにくくなる。(マーガリン、ショートニング、ビスケット類、コーン系スナック菓子)

  メリット:水素加工によって元素が安定している油なので消費期限を延ばせる

  デメリット:安定しすぎて分解されずに蓄積してしまう。動脈硬化を引き起こす。

まとめると・・

飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 
主な種類主な種類主な種類
・酪酸
・酢酸
・ラウリン酸
・パルミチン酸
・ステアリン酸
・パルミトレイン酸
・オレイン酸
・リノール酸
・リノレン酸
・アラキドン酸
・EPA
・DHA

②【オメガの種類を確認しましょう】

D)オメガ3・・・鬱の緩和、心臓機能の回復、認知機能回復、血栓の予防、悪玉コレステロール(LDL)の抑制、アレルギー症状緩和、体脂肪燃焼の促進、熱に弱く調理には向かない。酸化しやすいので3か月以内には使い切りたい。(αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA))

 ・αリノレン酸→アマニ油、ミックスナッツ。体内でEPAやDHAに変換される。

 ・EPA、DHA→鮭、サバ、マグロ、イワシ

E)オメガ6・・・リノール酸。菜種油、トウモロコシ油、弁当や総菜、調理に使われる油。

 ・適量(メリット)→悪玉コレステロール(LDL)減少、免疫機能調整

 ・過剰(デメリット)→善玉コレステロール(HDL)減少、アレルギーの悪化、動脈硬化。

※現代日本人の食事は、オメガ6の推奨摂取量の40倍摂っているといわれています。なるべく摂らないように心がけることで丁度良い推奨量に到達すると思います。

※必須脂肪酸を取りたい場合は成るべくオメガ3を摂るようにしましょう。但しオメガ3は熱に弱いので、調理をする際はオメガ9であるオリーブオイルを使用しましょう。

F)オメガ9・・・酸化しにくく、熱にも強いため調理に使いやすいです。また、悪玉コレステロールの低下、血液サラサラ、便秘予防、動脈硬化予防、心疾患予防、高血圧予防などの効果があります。ただし、「良い脂」として有名になりすぎたせいでやや過剰摂取になりがちです。(マカダミアナッツ、オリーブオイル)

③【油を摂るメリット

・細胞膜の形成(不足すると肌荒れやパサつき)

・3~5時間かけて胃に溜まるので、血糖値が上がりにくく空腹も感じづらい

・外からの衝撃の緩和

・保温

・エネルギーの保存

・ホルモン合成

④【結論:良い脂を摂りましょう

調理・・・オリーブオイル

お菓子、おつまみ・・・ミックスナッツ

風味をつける・・・ココナッツミルク、アマニ油、えごま油

食事・・・魚の缶詰、アボカド

友だち追加
BACK